C 境の明神(栃木県と福島県の県境)
[境の明神]
下野(栃木県)と奥州(福島県)の国境に並ぶ二つの神社をあわせて境の明神と呼びます。古来より国境を往来する際には両神社を参拝し、道中の安全を祈願したといわれる。
芭蕉とともに奥の細道を旅した曽良の随行日記には、元禄2年(1689年)の旧暦4月20日(現在の6月上旬)に境の明神に至ったとある。この頃ちょうど田植えの季節でした。
風流の 初やおくの 田植うた (芭蕉)
[白河と松尾芭蕉]
俳人・松尾芭蕉は、白河の関を越える旅に思いを馳せました。元禄2年(1689)、5月下旬(今の6月上旬)に白河の地にたどりついた芭蕉は「白河の関にかかりて旅ごころ定まりぬ」と、みちのく路の第一歩を踏み出したことについて感動を込めて記しています。
また芭蕉の供をした曽良の句に「卯の花を かざしに関の 晴れ着かな」とあり、この時期に白河で咲いていたの花を詠み込んだと考えられています。それから約300年の時を経た今でも、可憐な卯の花が咲き誇ります。
(みちのくの玄関『白河市』パンフレット)
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。・・・・・予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂白の思いやまず、海浜にさすらへ、・・・・・春立る霞の空に白川の関こえんと、そぞろ神の物につきて心をくるわせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。・・・・・松島の月先心にかかりて、・・・・・。